「障害者雇用」はゲームを通じて“自分ごと化”できる

 2020年に行われた慶應SDMビジネス&ゲームラボ(以下、SDM)主催の全日本ゲーミフィケーションコンペティションには、様々な社会課題に向き合う人たちから工夫を凝らしたゲームが寄せられました。しごと・しあわせラボの高橋 真も、障害者の超短時間雇用モデルを体験するカードゲームで見事入賞。今回は、SDMと共同でコンペティションを運営した株式会社オルトプラスの小林陽介さんにお話を伺いました。

全日本ゲーミフィケーションコンペティション主催者の株式会社オルトプラス 執行役員の小林陽介さん

小林陽介さん
株式会社 オルトプラス 執行役員

Profile
ウェブサービスやデジタル広告のエンジニア兼ディレクターを経て、オルトプラス創業期に参画。月商億超えのゲームタイトルを責任者として立ち上げた後、ゲーム事業の責任者や子会社の代表を経験。サービス開発のノウハウにゲームのノウハウを掛け合わせることで、世界を変えるサービスを作れるのではと考え、ゲーミフィケーションをテーマとした事業を立ち上げた。

Q:最初に「ゲーミフィケーション」とは何ですか?具体的に教えてください

小林さん(以下敬称略):子供の頃、学校からの帰り道、「日陰だけを歩いて帰る」遊びをしたことはありませんか?こんな日常のワンシーンにも、ゲームの要素が顔をのぞかせています。先生が一方的に話すだけの授業よりも、問いに答えられたらポイントがもらえたり、かわいらしいキャラクターから応援してもらえたり…自分自身がプレイヤーになって楽しみながら主体的に学べたら、世界が変わって見えるのではないでしょうか?
 ゲーミフィケーションとは、簡単に言うとこうした「ゲームの仕組み」を、娯楽以外の分野に応用すること。今回のコンペでは、ゲームの力で社会課題を解決するアイデアを募りました。

Q:「社会課題×ゲーム」の組み合わせに関して、手ごたえはどうでしたか?

小林:今回のコンペティションは、我々の専門外である「社会課題」とゲームのクロスポイントを探る試みになりました。初めは、応募作のクオリティが基準に満たないのではないか、そもそも応募してくる人がいるのか…と心配でした。ですが、社会課題に取り組み、かつゲームに興味を持つ人たちが多くいることが分かりました。ゲームのエンターテイメント性と、テーマの課題性をうまく両立した作品が多く寄せられ、ゲーミフィケーションの可能性を感じました。

 審査した際、ポイントにしたのは、「どんな」課題を「どのように」解決しようとするのかという点です。見かけのクオリティはかけるお金次第ともいえますが、ゲームの中の課題解決方法には、課題に取り組む人たちの熱量を感じました。

Q:本ゲームは、「超短時間雇用」を通じて企業の人も、働くことに障害のある人も双方の幸福度が上がることを体感してもらうために開発されました。その点についてはどう感じましたか?

小林:働く意欲を持つ障害者の約47%が1年以内に退職しているという事実は、あまり知られていません。だからこそ、ゲームにすることで、事業者が障害者雇用を「自分ごと」として捉えることができるという点でとても有効だと感じました。

 障害者雇用というと、アンタッチャブルなイメージを持つ問題だからこそ、ゲームで身近に感じてもらえることは利点ですよね。あとは、プレイヤーがゲーム内の各ペルソナの立場に立って考えられるので、現実世界での部下の有無にかかわらず、チームで仕事をするときのマネジメントの疑似体験ができることも良さの一つだと思いました。

 このゲームは、障害者雇用について考えるきっかけになるだけでなく、プレイした人の視野を変える可能性を持っていると感じましたね。

Q:企業の立場から感じる超短時間雇用の可能性について教えてください

小林:実は単発の業務の切り出しと委託は既に始めていて、手応えを感じています。このゲームを通して、切り出した業務を一歩進んで障害者の方にお願いする可能性について考えさせられました。

 超短時間雇用は、他の企業でも実践できるスキームだと思います。今回のコンペを単発で終わらせず、ゲームの体験会を開くなどして課題の認知度を上げていけば、解決へのステップになると思っています。これからは、課題意識を持つ人と、ゲームの技術を持つ人のマッチングをしていくことが大切だと考えています。世界が変わるのは、人の考え方が変わる時だと思うんです。そうした世界が変わっていく瞬間にたくさん立ち会いたいですね。

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