現代の日本の都市部では、人の繋がりが希薄化し、社会課題が複雑化しています。
そして、テクノロジーの劇的進歩や新型コロナによる環境変化によって、多くの人たちの働き方が変化しています。私たちにとって働くことの意味をとらえなおす時代になっていると言われています。
日本には、働きたいけれども働けていない人(未活用労働力)が500万人以上もいます。(※総務省統計局:「労働力調査2021年4~6月期)国や自治体では、そうした人々が一般企業等へ就職するための支援策を打ち出しています。しかし、実際にはその枠組みから取り残されている人々がいます。
多くの公的支援では、一定時間以上の労働が可能であることが条件となっていて、短時間でしか働けない人は支援の枠組みから取り残されてしまいます。働かなくても年金などの公的生活支援で収入を賄えばいいという意見もあります。
しかし金銭的な公的生活支援があればそれでいいのでしょうか。
「働く」ということは、単にお金を得ること以上に、「人との繋がり」や「誰かの役に立つこと」を感じながら「生きがい」を得ることです。自分らしく活き活きと暮らすためには、「働く」ことがとても重要な意味を持っていると考えています。
私たちが目指す社会は、誰もが取り残されることなく、働くことを通じて人と繋がり、人間的で幸せに暮らせる社会です。街の中で、あらゆる立場の人々が当たり前に共存し、かかわり合いながら、人間的に豊かな暮らしを送る。そんなインクルーシブ社会を目指しています。
私たちは、障害ある人たち、介護や子育てをしている人たち、外出することが困難な人たちといった、働く機会を得にくい人たちの働く機会を生み出すための事例をつくり、伝える活動をしています。
こうした人たちは、働くこと自体の選択肢が無かったり、就労を通じた様々な経験を得ることを諦めざるを得ない状況にあります。例えば障害者の場合、労働年齢人口の78%が就労機会の無い状態にあります。また、周りで支える家族にとっても、将来の不安を抱えたまま日々を過ごしています。
働く機会と経験を通じて、人と人が繋がり、地域の企業が地域の人々と繋がり、全ての人が社会参画し、幸せに暮らすための関係性を創り出すことができます。